当社は、デジタル画像処理技術の研究を行ってきた東京大学出身の技術者達を中心に、2004年5月に設立した研究開発主導型のベンチャー企業であります。コンピューターサイエンスは実学であるという信念のもと、最先端の研究を理論で終わらせるのではなく、社会のニーズにいかに適応させて、世の中に貢献させられるかを常に追究していくことが私たちの使命であります。独自技術の研究開発及び製品開発をすることにより、デジタル画像、そして映像産業の新時代を築き上げることを目指しております。
当社グループでは、スマートフォンなどの組込み機器をはじめとして、様々なプラットフォームにおいて画像を認知、処理、そして表現する、これら一連のプロセスを通して、効率的且つ高品質な次世代のデジタル画像処理フレームワークを提供することにより、デファクト・スタンダードとなることを志向してまいります。
当社グループは、画像処理を用いて開発した各種ソフトウェアに係るソフトウェア・ライセンス事業を行っております。以下において、当該事業における 1.ソフトウェア製品について、2.収益構造について、3.知的財産戦略について、それぞれ記載いたします。
人間の五感の中で視覚は重要な入力インターフェースであり、人間の情報処理の80%は視覚情報に依存しているとも言われています。近年のネットワーク及びデジタル技術の発展と、スマートフォン等の普及によって、この視覚情報処理を取り巻く環境が急激に変化してきました。自分自身の目とは異なる第2の目として、誰もが何処でも画像を撮影し、保存し、編集し、共有することが可能となり、新たなライフスタイルとそれを現実にするための技術開発が求められていると判断しております。
当社グループは、設立以来、デジタル画像に関する高度なアルゴリズムを創出すべく研究開発を行い、最先端の画像処理技術を駆使した各種ソフトウェアを製品化してまいりました。現在の当社グループの技術及び製品の優位性は、機能を全てソフトウェアで実現しているため余計な容積を必要とせず壊れにくく、且つ消費電力が少ないという点であると考えております。
当社グループはこれまで最先端の技術動向を把握し、顧客ニーズを反映しながら製品化を行っております。今後も適切なタイミングで製品を投入し、人々に「感動」と「喜び」を与えられる企業として成長してまいります。
当社グループは、スマートフォン市場を中心にソフトウェア・ライセンス事業を営んでおります。事業の売上高は、(1)ロイヤリティ収入、(2)サポート収入、(3)開発収入で区分されます。当社グループの収益構成の概要は以下のとおりであります。
主要なスマートフォンメーカー等に対して、当社グループが独自に開発した複数のソフトウェア製品を商用目的で頒布・利用することを許諾して、主に当社グループの製品が搭載されたスマートフォン等の出荷台数に応じたライセンス料を収受する収入であります。 当該収入は、当社グループまたは他社と連携しながら、契約主体は当社と利用許諾先との間の直接取引としております。またライセンス料の主たる収受方法は、出荷数実績に応じて収受しております。
主にスマートフォンメーカー等に対して、当社グループのソフトウェア製品の利用を許諾することを前提とした当社グループ製品の端末等への実装(ポーティング)支援等を行う開発サポート収入と、当社グループのソフトウェア製品を利用許諾した後に、一定期間の技術的なサポートを提供する保守サポート収入とに区分されます。
主にスマートフォンメーカー等が試作機等へ実装し技術的な評価等を行う場合に、当社グループの技術や製品の利用範囲を限定して当社グループの標準的な画像処理エンジンを提供する収入や、新たな技術や製品・サービスを創出する際に、研究又は開発を請け負う収入であります。後者については、成果物の権利を双方で共有することができ、一定の条件を満たせば当社グループが単独でライセンスビジネスを行うことができます。その他、これまで蓄積したノウハウをもとにスマートフォンメーカー等の個別要求(仕様)に応じた開発等を受託する収入があります。
当社グループは研究開発主導型の企業として、既存の技術とは一線を画す新たな技術を世に送り出すことを社業の礎としております。新規性のある独自技術の保護及び当社グループの活動領域の確保のために、独自の技術分野については、他社に先立って特許権の取得、活用・保護をすすめていく方針であります。具体的には、事業全体の価値向上に寄与する特許権の取得を推進し、潜在的資産価値の最大化に向けて積極的に取り組むとともに、知的財産権の調査においては他社知的財産権の侵害を回避し、安定・継続した事業の推進に寄与してまいります。