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AI画像鮮鋭化技術

Morpho Deep Deblur™

『Morpho Deep Deblur™』は、AIを活用して画像に発生する様々な種類のブラー(ブレ、ボケている部分)を除去し、鮮鋭化する技術です。

主な利用シーン

  • 外観検査
  • 自動運転・車載
  • 構造物劣化診断
  • スマートフォン・タブレット
  • 監視カメラ
  • 船・電車・航空機
  • 自律走行車
  • 広角レンズ
  • 望遠レンズ

主な機能・目的

  • 画質改善

ポイント

  • 多岐に渡る“ブラー”に対応
  • AI 推論エンジン『SoftNeuro®』を内蔵
  • 処理要件に合わせた個別カスタマイズが可能

詳細

特長

(1)多岐に渡る“ブラー”に対応

一般的に、カメラでの撮影画像にブレやボケに相当する“ブラー”が発生した際、その発生要因は様々です。 この“ブラー”を画像から除去する技術は世の中に様々ありますが、発生要因に合わせて最適な補正方法を選択して適用することが画質を改善する上で重要です。例えば、モーションブラー(被写体が動くことによるブレ)に対して画像拡大ブラー補正(一般的に超解像と呼ばれる補正)を適用しても、そのブレは改善しません。そこで『Morpho Deep Deblur』では、発生要因に合わせて最適な補正ができるように、4種類のブラー補正AIモデルを用意しています。これにより、的確な画質改善を実現することができます。 また、顧客ごとの処理要件に合わせてブラー補正AIモデルのカスタマイズするサービスを併せて提供します。

 

<AIモデル別の説明>

・デフォーカスブラー補正AIモデル

いわゆる写真の“ピンボケ”に相当するブラーを補正します。撮影後にピントが合っていないことに気づいた場合などに、こうした補正を行うことで、ピンボケした写真を鮮鋭化し、貴重な一瞬を捉えた写真をより鮮明に残すことができます。 原理的には、明るく撮影するために絞りを開く(光量を多く取り入れる)と、被写界深度が浅くなるために部分的なデフォーカスブラーが発生しやすくなります。

 

・モーションブラー補正AIモデル

明るく撮影するためにシャッター速度を遅くすると、移動体がブレる現象(モーションブラー)が発生することがあります。本AI補正モデルにより、そうしたブラーの抑制が可能です。また、動被写体の動きベクトル検知技術 『Morpho Motion Sensor™』(別製品)と連携し、抑制可能な速度かどうかの判別処理も可能です。

 

・画像拡大ブラー補正AIモデル

画像拡大時に生じる解像度の低下を補正するAIモデルです。一般的に“超解像”と呼ばれる技術に該当します。ストリーミングなどで帯域が制限されている場合に、画像サイズを縮小後に送信し、受信後にサイズ拡大し本AIモデルを適用することで、画質を補正することが可能です。また、デジタルズームを使用した撮影画像に対しては、ギザギザなエッジや潰れたディティールを補正し、滑らかで精細な画像を得ることができます。

 

・歪み補正ブラー補正AIモデル

レンズの歪みを補正した後、画面端に生じる解像度の低下を補正するAIモデルです。

 

(2)AI推論エンジン『SoftNeuro®』を内蔵

モルフォ製品である高速AI推論エンジン『SoftNeuro』を内蔵しています。様々なハードウェア(CPU、GPU、各種AIアクセラレーター)に対応し、ハードウェアリソースを最大限に活用することで、高速・低消費電力での物体検出処理が実現可能です。動作環境としては、x86/x64/ARM CPU、GPU、各種 AI アクセラレーター等が利用可能です。

・AI推論エンジン『SoftNeuro』:https://www.morphoinc.com/technology/sie

サンプル画像

(1)画像拡大ブラーの補正前/補正後

(2)デフォーカスブラーの補正前/補正後

適用分野

自動車分野向け、スマートフォン/PC 内蔵カメラ向けなど様々です。

 

●自動車分野

近年、低解像度の車載カメラ映像を、大きな映像表示用モニタ(HMI)上で綺麗に表示するための画質改善ソフトウェア技術の市場ニーズが顕在化しています。この背景には、近年顕著な HMIの進化があります。 HMIの高解像度化が進むにつれ、車載カメラの高解像度化も求められています。一方で、高解像度カメラの採用は自動車の大幅な原価増に繋がるため、車載カメラはできる限り低解像度のまま、HMI上での表示映像のみを綺麗に補正するソフトウェア技術が求められています。

そこで『Morpho Deep Deblur』をHMIとペアで利用することにより、入力映像の画質をAIで改善するためのハブとして利用することが可能となります。これにより、低解像度の画像であっても、大きなモニタで綺麗に表示することが可能です。

また、『Morpho Deep Deblur』は、2023 年5月に提供開始した自動車分野向けAIソリューション『Morpho Automotive Suite™』の標準AI技術群に追加しました。AI技術を単体で提供するだけではなく、顧客ニーズにフィットするAIの追加学習や用途別の製品カスタマイズ等の提案を通じて、自動車分野における課題解決および顧客製品への付加価値の向上に貢献していきます。

 

●スマートフォン/PC/デジタルカメラ分野
スマートフォンやデジタルカメラでデジタルズームを行ったり、撮影した画像を拡大することによる解像感の低下を、『Morpho Deep Deblur』を適用することで改善することが可能です。世の中には信号処理ベースの超解像技術が数多く存在しますが、本製品はAIを活用することで、信号処理ベースの手法の実用的限界を超えることを目指し、さらなる解像感の向上を実現するものです。

 

※ 製品名『Morpho Deep Deblur』は仮称です。

提供形態

『Morpho Deep Deblur』は、動作環境に合わせたアプリケーション開発用のライブラリファイルおよび技術ドキュメント等をご提供します。 詳しくはお問い合わせください。

Webinar

画像処理やAI技術の基礎や活用のポイントなどを紹介するWebinarを開催しています。
以下より、これまでに開催したWebinarを視聴できます。